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「そうりゅう」のAIPは失敗作?

次期潜水艦はリチウム・イオン電池を搭載することになっています。
鉛蓄電池がリチウム・イオン電池になるのはいいとして、AIP(空気独立型推進装置)はどうなるのか?

現在、海自最新の潜水艦「そうりゅう」型では、AIPとしてスターリング・エンジン(スウェーデン製をラ国?)を4基搭載しています。空気に依存しないというメリットがある反面、超低出力&艦内容積の圧迫というデメリットから、搭載当初からかなり不評で、次期潜水艦では全廃される可能性もあるようです。

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公試時の「そうりゅう」 出典:海上自衛隊ホームページ

世界の艦船2014年4月号で、元潜水艦隊司令官 小林正男氏はAIPの全廃を強く主張しています。

AIP艦の艦長は、作戦行動の今後の展開と、AIP、蓄電池それぞれの使用場面を想定し、場面に応じて動力を選定しなければならない。これがリチウム電池だけの艦になれば、高速・低速を必要に応じて使い分け、電池残量のみを考慮すれば良くなる。運用者にとってどちらが使いやすいか、言うまでもないことであろう。


確かに運用者としては非常に使いにくいシステムですね。
それでも、任務によってはAIPが活躍する場面もあるのでは?
潜水艦の役割について整理した上で、いろいろ考えてみることにします。

【潜水艦の役割とは?】
日本の潜水艦の主動力は全てディーゼル・エンジンで、大洋を高速機動して敵艦隊を遊撃するという芸当はできません。
日本における潜水艦の主な役割とは、チョーク・ポイントでの待ち伏せです。
チョーク・ポイントとは戦略上重要な水上交通路のことで、具体的には、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡、大隅海峡、宮古海峡の5箇所を指します。ちなみに、ここを敵性国家の軍艦が通行すると、必ず統幕が詳細を発表します。これらの海峡が自衛隊の完全監視下にあることをアピールするためです。

【チョーク・ポイントへの進出・帰投時に使えるか?】
対馬海峡で待ち伏せる場合、呉から瀬戸内海を通り、関門を抜ける内海航行がメインで、ほとんど潜航しないのでAIPは必要ありません。その他の海峡の場合、呉・横須賀から太平洋側を航行して向かうことになるので、スノーケル航行して蓄電池に充電したところで何の問題もないでしょう。AIPを使うまでもないです。

【襲撃任務で使えるか?】
雷撃効果を最大限に発揮するためには、最適の射点に着く必要があります。このために高速を使用することも考えなければなりません。
また、敵水上艦からの反撃を受ける可能性も考慮しなければなりません。潜水艦の回避運動は今も昔も変わらず、「潜舵一杯、最大戦速」です。対潜魚雷はその構造上、潜水艦よりも圧潰深度が浅いので、とりあえず魚雷の深度以上に深く潜る。できればそのまま高速で海域を離脱する。高速を発揮できないAIPに出番はないでしょう。

【哨戒・監視任務で使えるか?】
使えるとすればこれくらいしか思い浮かばないです。
このためだけにAIPを積むのならば、その区画に追加の蓄電池を積めよという話になってしまいますが。

やっぱり、どう考えてもイラナイ子。
とりあえず世界の流行に乗って買ってはみたものの、よくよく考えると必要なかったというところでしょうか・・・

この記事へのコメント

- 名無しの日本人 - 2014年09月09日 11:06:59

つまり現行のそうりゅう型は失敗作だったと。
最近は優秀だと言われていた日本製の化けの皮が剥がれるニュースが
相次いでいるが、兵器類も同様らしいな・・・

- アクバー提督 - 2014年09月09日 21:50:17

成功作か失敗作か?と言われれば、失敗作でしょうね。
少なくとも、OBの評価が悪いのは事実です。
でも、これでいいんですよ。失敗は軍事の本質なので。

「そうりゅう」計画時点でのAIPの選択が「正解」か「不正解」か?
と言われれば、正解でしょう。

「今後の投資先はAIPではなく、大電力である」という教訓は、
「そうりゅう」の運用実績が無ければ得られなかったものです。

- 名無し - 2014年09月10日 17:42:52

あまりにも恣意的な引用という気がしますね。
小林海将の主張は、リチウム電池の優越性に主眼を置いた物で
AIP艦は駄目なんて話では無かったはずですよ。

そもそも小林海将はリチウム電池の利点として
長時間の潜航が可能な点を挙げているではないですか。
長時間潜航出来る事が利点であるのは、あくまで前提であって
そこはAIPに頼らなくてもリチウム電池を用いれば補えるという話なわけです。

そしてリチウム電池搭載艦をまだ日本は実用化していません。
これはあくまで新技術を用いた艦が出来れば、という仮定の話であって
リチウム電池より性能の劣る、従来の蓄電池を搭載した艦にもAIPは要らないという話では無いですね。

- 名無しの提督さん - 2014年09月28日 08:46:17

しかしその数週間後28SS(AIP無しのリチウム電池搭載)が発表されたのだった…

- 名無しの提督さん - 2015年01月02日 20:42:58

AIPの利点はAIP自体にあるのではなく、液体酸素タンクにあるのです。
つまり、シュノーケルを使わずに充電ができる。これがAIPの最大の利点です。

残念ながら現在の技術では液体酸素を助剤にしたディーゼルエンジン駆動はできない。
そこでそうりゅう型では専用のスターリングエンジンを追加で搭載しました。

なんらかの原因でバッテリーの電力を使い尽くしたが水上に出られない、あるいはバッテリーの容量を超える期間、水中での警戒巡航を続けなければならない。そういう時にAIPは力を発揮します。

- 名無しの提督 - 2015年03月15日 07:53:18

その当時のベストな選択をしたというだけで、別に失敗作だと思っていないよ?

- 名無しの提督さん - 2015年05月17日 22:22:14

まあ扱いにくいってところはあるけど、時代のニーズはあるし当時のベストな選択がAIPだったってだけの話でしょうよ。
運用しにくいってだけでトータルで見て失敗作判定されるなら、それ以前の兵器はもっと扱いにくいためすべて失敗兵器扱いされても文句はないでしょうね

失敗兵器っていうのはトータルでみる必要があります。それに、失敗作だったらオーストラリアが興味を示しませんし

- 名無しの提督さん - 2015年10月24日 19:08:01

>>シュノーケルを使わずに充電ができる。
他の装備を下ろして酸素タンクを詰め込めば、異常に長時間耐久出来るのであれば、
特殊部隊母艦など、装備艦にしか出来ない芸当が出てきそうでもありますが。
同体積(+エンジン分)のリチウムイオン電池に発電容量が負けたりすると、
あんまり意味なくなっちゃうかな・・。
もっとも、携帯型のリチウムイオン電池を開発するより、酸素タンクのほうがお手軽といえばお手軽ですかね。

- 名無しの提督さん - 2015年12月10日 00:52:07

既に作ってしまったそうりゅう型はどうなるの?
ドック入りのタイミングでAIPをリチウムに変更?
AIPは残して鉛電池の分だけリチウム化?

- アクバー提督 - 2015年12月11日 17:24:34

そのどちらも可能でしょうが、実施したとしても大幅な能力向上にはつながらないでしょう。

リチウムイオン電池は発熱するため、何らかの冷却機構が必要です。
潜水艦の周りには冷却に活用できる海水が無限にあるので問題ないようにも見えますが、電池の特性上、水冷など狂気の沙汰。空冷方式になるのは間違いないでしょう。

送風機や熱交換機構が必要な上、バッテリーの配置も冷却効率を考慮せざるを得ず、必然的に所要の容積が増えるので、なかなか既存艦へのインストールは厳しいと予想します。

- 名無しの提督さん - 2016年02月17日 17:28:06

水上艦なら空冷でもいいんですが、密閉されてる潜水艦内で電池を空気で冷却するわけには行かないんですよ。熱容量が小さいので冷却効率も空間効率も悪いですし、非常時の金属対策で酸素や湿気の除去とかの手間も必要です。

というか液体の冷媒も水以外にも色々あるので、水がダメだからあとは空冷しかない!ってのはぶっちゃけ短慮です。

金属に反応しない液体の冷媒も世の中には色々とありますので。
例えばシリコンオイルなどの合成油などはその最たるものですし、他にも完全に不燃性でありながら耐熱性も高い液体冷媒だってあるんですよ^^

そもそも潜水艦のディーゼルエンジンも液冷なんですけどね。
日本のディーゼルエンジンの黎明期の液冷ディーゼルは、商船が少しでのこりは潜水艦用でしたし。

- アクバー提督 - 2016年02月28日 19:53:47

貴重な御意見ありがとうございます。

ただ、よくわからない点があるので教えていただけないでしょうか?

リチウム電池の冷却に合成油等を使用するとのことですが、
わざわざ冷却用の合成油を海水で熱交換するのであれば、
私の主張するように冷却用の空気を海水で熱交換したほうが遥かに簡単だと思うのですが、この点はどうなのでしょう。

- にゃ - 2016年06月05日 01:50:23

冷却材の話ですが、ご存知のように液体と気体では密度がまるで異なります。
たとえば同体積の水と空気の比熱の差は3000倍以上にもなります。
つまり気体よりも液体の方がはるかに大きな熱を運ぶことができるのです。
それに気体は温まると激しく膨張しますから配管の圧力対策も面倒なことになります。

- 名無しの提督さん - 2016年06月18日 06:59:01

工業用の機器でも一次冷却媒体は油を使いますね。
空冷のみだと各部に発生する温度差を抑えきれないんです。

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